いつも寝起き?って聞かれます。。

自称日本で一番詳しい方の業界人の表じゃ書けないDAW関連本音レビュー とMixテクニックをつらつらと書いていきます。

脱線コラムVol.8:マスタークロックに関して

何でわからないけど、クロックの質問が続いてたので触れてみようかと。

 

俺の遍歴的にはこんな感じ。クロック単体機だけじゃなくて、クロックマスターになってたものも。

Apogee AD8000

Antelope OCX

Benchmark DAC1

Antelope Ecrips&10M

Antelope Ecrips & Toneflake のルビジウム

クロック無し時代

Blacklion MicroClock mk3

な今で、クロックケーブルはここもアコリバ。オヤイデのもいろいろ使ったけど、音は変わるけどそんなに感動しなかったかな。

 

もはやマスタークロックって、本来の役割である複数のデジタル機器のタイミングを揃える為にあったのとは、そもそもの存在意味が変わってるわけで、なんでクロックを使う必要があるのかって人が多いと思う。

 

よくあるのが、主に打ち込みだけだからとか、内部バウンスなのであってもってねー、的な話。

 

その人への回答は、内部バウンスだろうと、ミックス時のモニター環境の差は大きい。さらに録り音にもかなり影響出るからね。

 

モニター環境を整えるはI/Oやモニタースピーカーだけじゃない。ほとんどの人の中心機材であるI/Oの録り音も出音も変えてしまうくらい影響があるポイントだったりする。

 

職人さんが細かい手作業をする際に拡大鏡とかでチェックするのと一緒で、解像度は高い限る。

 

そんなとこまでって思う人、今よりいいI/Oが欲しいのと一緒だからね。で、現状良いI/Oってのも単体は限界があって、そこにアドオンする機材になるのかな。

 

初めてApogeeのADとクロックを使って生楽器、特にパーカッション的なものを録音した時に、こんなにもまあダイナミクスの入り方が違うのかー、コレがプロの機材なのねと痛感したもんです。

 

その後何年かして、一通りの機材も部屋も揃って来たときに、Antelopeが流行り出して、ルビジウムクロックってのに手を出す事になったんだが、このルビジウムってのが凄いのね。ソフトシンセの音の混ざり具合とか、余計な倍音のぶつかりとか、ベロシティによる音の違いとかが今まで以上に見えて、この頃に一気に打ち込みのレベルが上がったと思う。

 

ここで言う打ち込みの上手い下手って、その音数やタイミング、ダイナミクスが適量かってのと、音色の棲み分けだとをちゃんと理解して作業できてるかなんだけど、それがちゃんとやるにはそれなりモニター環境があるにこしたことはない。

 

で、Antelopeのルビジウムよりもって事で、紹介されてToneflakeに行き着いたんだけど、まあこれがもっと凄かった。Antelopeの時点でデジタル感がほぼなくなってたとこに、フルアナログ環境かってくらいの低音と肉厚感が出て、ここから内部バウンスではなくこの音のままDSDレコーダーに落とす様になるわけ。

 

この環境で数年居たんだけど、人間なんかの拍子に飽きちゃうもんで、脱HD環境のタイミングで買ったMetric HaloのULN-8にした時に、余計なクロックとかADDAとか全部手放した。それくらいULN-8のクォリティは完成してたと思う。今も好きだけど、ちょっといろいろ古くさくて使ってない。ちゃんとアップグレートしたらメインに復活するかも知れない。でも、Apolloが楽だから変えないだろうな。すげー良いとは思わないけど、仕事の道具としては秀逸だもん。

 

こっから数年この辺り機材を買うくらいなら、実際の楽器とかソフトシンセとか、曲を書くものにお金をかけてくんだけど、同時進行が多くてトータルリコールが大変で、その最終手段でUADファミリーに逃げ込んだのが2〜3年前かな。

 

結局、仕事柄なくなくHDX環境も復活したんだけど、なんか黒ApolloとHD I/Oの音が似てる気がして、いろいろ試してみたら、Blacklion & アコリバでこれ以上はどうでもよくなった今に至る。他のときにも書いたかもなんだけど、自分の作業場の方がスタジオより音(機材や環境)がいいってことがざらにあって、作業場をこりすぎるとスタジオ行くと残念な気持ちになるんだよね。

 

俺は音だけならAntelope OCX HDもかなりいいと思う。OCXのときの線の細さも解消されてたし。でもAntelopeは音はいいけど、サポートとか最悪で二度使わない。Toneflakeは故障した時の見積もりが高めのアウトボード買えるくらいなので放置中。

 

Blacklionでこのブログにたどり着いた人もいる様ですけど、一言で言えば、Blacklionのクロックはど派手。でもそれが地味で音良くないと思われがちなApolloとかHD I/Oにはちょうどよくて、アコリバでさらに解像度が上がったので、これ以上は趣味の世界だね。

 

余談だけど、代理店のページで褒めてる人ほど使ってないと思う。ほとんどの方知り合いなので間違いないかな。

 

つまり何でも自分の持ってる機材次第になってくるよね。ApogeeとかFocusriteの人だと過剰になるし、RMEの人は他のI/Oほど、変化ないだろうしね。

 

ちなみにApollo TWINのコメントの方、ADATで繋いでみては?

 

プロでも使えるMIXテクニック 実際のMixの流れ編 Vol.16:そもそもの下準備が出来てない人の多さに気づいたので編 追記

久々に書いたら思いのほか反響があって、色々聞かれそうなのでちょっとだけ追記します。

 

まず、下ごしらえって元のデータを適正な素材にするための処理なので、ある意味まだミックス作業ではないかな。

 

ちゃんとしたエンジニアさんが録ったデータって、既にこの辺の処理が終わってて、フェーダー0dbのところである程度音量バランス取れてる。それは録るときに今回のVUのくだりになるような音で録音してるから。自分がレコーディングから携わる場合は、ほぼこの状態になる様に録るのね。それはその続き=ミックスも自分がやるから。

 

で、他人がやるなら(やっぱ自分でやってみたい人って多いから)もう少し余裕をもって、レベルを気持ち大きめというか、全体のバランスよりもしっかり音量を録る様にする。後で好きにバランスが取れるように録り音ではバランスとらずにモニターバック、つまりDAWの中のフェーダーで返しのレベルを作っておくようにしてる。ソフトシンセってこの状態とも言えるよね。

 

この作業は人から来たデータに関して、自分のスタート地点につくために今回の下処理をするってこと。これはトラックの整理(トラックの名前や色とかも)やグループ分け等と同じ感覚でやってるってことです。

 

質問で、この作業をするとステム=バストラックでは収まらないってのがあって、それへの回答はこんな感じ。

 

今回の下ごしらえの段階でトラックフェーダーが0dbなのは、ここ後から過去記事の各トラックの処理に入る訳なの。言うたら今回のシリーズがプロでも使えるMIXテクニック 実際のMixの流れ編 Vol.0みたいな感じ。極論を言えば、下処理が終わったらそのトラックを一旦バウンスとかしちゃって、もともとがそういうものだってことにして、そっから作業をする感じです。

 

つまり、ここから先がミックス作業だからトラックフェーダーや好きなプラグインを使って、各トラックのレベルをコントロールしながら、マスターフェーダーに対してレベルを積んでいく。

 

簡単な例で、1176の基本の位置がインプット10時、アウトプット2時ってのがあるじゃない?この位置でメータの触れ方が変だったら、そもそも入ってきてる信号レベルが変なわけで。そのままやるとツマミの位置も変になるのと同じで、適正レベルの信号じゃなきゃ、いろんなプラグインもノブの位置と出音がリンクしないよってこと。

 

まとめると、なんでも下処理が必要なわけではなくて、意図もなくレベルの低いトラックや以上にレベルが突っ込まれてるソフトシンセとかは、そこでいきなり何かしても結果が良くないから、一旦ちゃんと作業ができる音量(というか、広い意味で音そのものかな)にしてからやると、もっとスムーズに作業が出来る様になると思います。

 

よく書くけど、俺の言ってることを鵜呑みにするんじゃなくて、こんな事言ってるやつがいるから試してみようってのが、書いてる側からすると嬉しいかな。で、やってみて良かったら自分の経験値になって、そこからまた何か思いついて欲しいし、ピンとこなかったら、自分なりのやり方をまた探してくれればいいと思う次第。

 

ちなみに、半分冗談で半分本気ですが、音声と画像をちゃんとつけた本にしたら読む人いるかな?まあ、出せたとしても匿名のままですけどね笑

 

プロでも使えるMIXテクニック 実際のMixの流れ編 Vol.15:そもそもの下準備が出来てない人の多さに気づいたので編 後半 ※5/9追記

さて、前回が概要みたいなもんだから、こうやると意味がわかって応用できるよ的な感じで。

 

WAVESSSL CHANNELでも、APIのVisionでもいいから、インプットレベルのノブとアウトプットのノブがちゃんとあり、それぞれのメーターがあればなんでもOK。

 

この辺も持ってなければ、どんなDAWにも入ってるトリム系のプラグインとVUメーターがあれば通じると思う。理解すれば、道具がなくても同じ様なことを意識すればいいからね。そこがプロとアマの差かな。まあ、プロとアマの境目なんていないんだけ、個人的な見解をざっくりいうと、技量だけではなく人間関係や金銭関係も含めて、ちゃんとやれる人がプロね。

 

本題に戻ろう。

 

ギターやソフトシンセのドラムの音がしょぼいって人を例にすると、だいたいこんな感じが多いんじゃないかな。

 

プラグインインプットが全然触れてない=VUも全く動いてない。

→なのにEQとかコンプでなんとかしようとしている。

→だけど、トラックフェダーのメーターは結構上がってる。

 

②もしくはその逆。プラグインインプットが思いっきり振ってる=VUも振り切り気味。

 

簡単な②はまず、録音レベル大丈夫かな?ここまで基本的な話はしないくていいよね。ゲインが高いかもしくは無駄な低音が多いとか、そういうのだから適正レベルで録れば問題ない。

 

人から来たもう録り直せないデータや馬鹿みたいにデフォルトの音量が高いソフトシンセとかは、まずそのトラックをソロにしてVUがどれくらい振ってるか見て、VUの-3db~-5dbくらいに収まる様に調整する。調整するのは以下のどれかでいけるかな。

 

※5/9追記 ここら辺をもう少し書かないとうまくいかないみたいなので追記します。

波形のボリュームあげるか、SSL Channelで言えば、インプットレベルのノブでそのプラグインインプットメーターの0db近辺にしっかり調整するのがもっとも大事。適正レベルにするってそういう事ね。ここが通じてない人がいそうだったので。

後、-3db~-5dbくらいってのも楽器によるのね。今回はギター前提で話してるから、ドラムだともう少し低くなっても問題ないです。要はVUがそれなりに触れてない音はしょぼい=振れるような音にしていこうってことです。

 

①大体のDAWで出来るトラックの波形自体のボリュームを触る

②トリム系のプラグインを挿す。

③ソフトシンセのアウトプットボリュームを触る。これは下げることしか無いと思うけど。

 

ちなみにこの時のトラックフェーダーは絶対0dbね。ここで触りだすと分からなくなるから。

 

 

①の場合が、音がしょぼい大体の理由

 

まず、さっきと一緒でインプットのレベルを適正に調整する。ね、これだけじゃうまくVU振れないでしょ?上手く触れている人は元音が結構ちゃんとしてるってこと。

その人はちょっと待っててもらって、触れなかった人はこんな感じをやってみて。

 

①EQで200〜1KHZくらいで、音の太さが出るところを緩めのQでしっかりとブーストする。音によっては複数箇所あるかも知れない。ギターやスネアは200〜300hz近辺になんか居る。700〜800hzくらいにもポイントが居ると思う。それより上の帯域は音のキャラクターは変わるけど、音の太さとかに対して影響がない。抜けは2Khz周辺をゆるくブーストだけでいいよ。今はトラックの下ごしらえであって、楽曲に対するMix作業じゃないのを忘れないで。

 

②①の後にコンプで変なピークをしっかり整える。ここはたまに出てくるピークのみに引っかかる様なセッティングでいこう。

 

この2つを行うと、トラックフェーダーのメーターの位置がほとんど変わらくても、1.5〜2倍音が太くなって、存在感が出てくるはず。やっとここが本当のスタート地点。

 

で、トラックフェーダーは0dbのまま、プラグインのアウトプットフェーダー (無いならトリム系プラグイン)で、メーターが過去に説明したレベルに近づくように調整する。ここは過去記事を読み込んでくださいな。この下りがあるから、冒頭の卓系のプラグインが使いやすいんだよね。もちろん、好きなプラグインでの合わせ技でもいい。要はこういうことに気を付けて行くと仕上りが変わってくるってこと。

 

なんで、トラックフェーダーは0dbのままにしたかという、ここから先オートメーションとか書いたりするから、下ごしらえの段階は全トラックが0dbので音量バランスが取れてることが理想的なんだね。まあ理想的っていうけど、アナログ卓でミックスしてた頃は基本中の基本だったんだけどね。 

 

前半でいったいきなりEQとかCOMP挿すなってのはこういうことね。こういう下ごしらえが出来てないと、正常に動作しないのはハードもソフトも一緒。

 

次のテーマは未定なので、何か質問というかお悩みを頂ければ隙間みて書いてみます。

 

 

 

プロでも使えるMIXテクニック 実際のMixの流れ編 Vol.14:そもそもの下準備が出来てない人の多さに気づいたので編 前半

これ以上特に書かなくてもだいたい分かるかなーと思って、ちょっとサボってたんだけど、最近よくある相談や送られてくるファイルで気になることがあって「ミックスとか音が細い原因って完全にそこじゃない?」ってのがあったので。

 

アンシュミのギターの音が細いとか、ドラムの音が抜けないとか、全体の音のバランスが崩れやすいとか、、、まあいろいろあるんだけど。そのトラックのVUってどれくらい触れてるかい?後、プラグインの入力と出力のレベルも適正レベルかな?

 

はい?って人多いと思うんだけど、ここのが最大のキモかも知れない。こっちは意識もせずに常に確認してるから説明の必要性を感じてなかったけど、知らなきゃ知らないよね。

 

例えば、コンプに付いてるメーターのGRは絶対見るとして、インプットとアウトプットのレベルみてる?なんで、あるのかがわからないと見ないよね。ハードウェアで育った世代(何度も言うけど、俺、30代ね)って、ここを合わせていかないと、絶対に音が良くならないのを無意識に知ってる。いろんな機器をミキサーに入れて、適正レベルに

揃えてから作業をするんだけど、DAWのミキサーにはこの適正レベルに合わせるつまみがない。

 

ならどうするかというと、まずはマスタートラックにVU系のプラグインを挿してみよう。出来ればハードのVUのほうが反応いいけどね。まずは意味がわかればいいので。

 

ちなみに個人的にはVU系プラグインならこれが一番感覚があうかな。(http://www.tb-software.com/TBProAudio/mvmeter2.html)さらに無償だし。

 

VU無いところで作業するときとかにダウンロード出来るようにDropboxインストーラー入れてある。このご時世、都度ダウンロードすればいいじゃんって思うけど、いざってときに製品名覚えてないからこうしてる。今も一回インストーラーみて、製品名を確認してるしね。。

 

まずそのトラックをソロにしてVUがどれくらい振ってるか見て、全然触れてないなら、VUの-3db~-5dbくらい触れるまでトラックの波形のボリュームをあげる or トリム系のプラグインで純粋にボリュームをあげる。この状態で出音がクリップするなら、トラックのフェーダーを下げといて。

 

このレベルの信号が来て初めて、コンプやEQがちゃんと適正に反応するのね。VUの-3db~-5dbってのは大体の値で、その辺まで針が触れてない音は、どうやっても音が細い。もちろん触れすぎは録音レベルがでかすぎる=録りで失敗してるので、逆に下げる所から始める。

 

こういった調整をしてないのにいきなりプラグイン挿しても、ノブの位置程掛かって無くて、それぞれの道具の役割を果たしてないってことなのよ。

 

次にそれぞれをどうするかを書くので、まずはここまでを確認してみて。

 

勉強するのにお薦めはプラグインは、WAVESSSL Channnelかな。何でかっていうと「THE ミキサー」だから。

 

インプットレベルのノブとアウトプットのノブがちゃんとあり、それぞれのメーターがあるから、今回の意図を確かめやすいのね。アウトプットのノブがあるプラグインは多いんだけど、インプットって意外とないのよ。 

 

では、次回。

プロでも使えるMIXテクニック 実際のMixの流れ編 Vol.13:上物編 コード楽器の住み分け

年明けの案件の終わりがいろいろ見えてきて、余裕が出てきたから久しぶりに本線を。

 

前回まででリズム、ベース、歌と来たわけだけど、この3つの要素だけで充分聴けるレベルの曲やミックスじゃないとダメだと思う。これ以外って、簡単に言えばそのジャンルや曲を彩る為の装飾ね。もちろんここも重要だけど、人気が出た曲ほどオケはシンプルだったりする。

 

上物=装飾品と捉えて、外見(服装かな?)で考えてみると、ちょっと毒舌になるけど、服装が地味な子がアクセサリーだけ高いの付けてるとか、ダサさが増すじゃん。ちょっとズレは好みの問題だけど、そういう事じゃなくて、そもそもの素材やジャンルを無視した過剰な装飾品の足し算は、結局マイナスを生んでる。

 

最近実際にあった案件で、ドラムとベースを同時にレコーディングと歌のレコーディングまで担当したんだけど、本人達が(と言うかギター)がどうしても自分の家で納得行くまでやってきたいと。その彼はリーダーらしく、歳もそれなりで色んな機材を買えるらしいんだが、冷たく言うと腕が無いのを機材で埋めてるタイプね。よくいるでしょ(笑)

 

まあ結局、家でやってきた作業の全部がボツで、スタジオでやり直しなって、予算もリリースのタイミングも余計に掛かった案件だったね。

 

どんなデータかというと、ギターが1人なのに、アコギが二本(ストロークとリード) 、エレキが四本(バッキングが二本、リードが二本)あって、それぞれが全く噛み合ってなくて、アコギとエレキのストロークすらあってないレベル。更にこのバンドは上手いキーボードの人がいて、既にピアノとオルガンが程よく入ってるから、更にズレが目立つわけだ。つまり、人の音を聞いてないどころか、自分の別テイクも聞いてないってこと。これは極端な例だけど、コード楽器が過剰なアレンジって本当に多い。

 

前にも書いたけど、ミックスの前のアレンジとレコーディングがミックスのクオリティのほとんど占めてる訳で。あえて書くなら、アレンジ5割、レコーディング3割、ミックスで出来ることなんて所詮2割程度 だと思う。それくらいの気持ちの配分って事ね。

 

さて、上物の処理に入ろう。前置きが相変わらず長いね。

 

今までの三要素(リズム、ベース、ボーカル)以外に一番重要なパートを決めよう。トラック系ならシンセとかエレピとか、バラードならピアノやストリングス、バンドものならギターとかだよね。言い換えると比較的にずっと鳴っている音だね。

 

何トラックも上物があってもとりあえず1位と2位を決める。パートって個別のトラックじゃくて、ギターのバッキングとか、ピアノ、シンセ、ストリングスとかってことね。今までの感じが分かってると、BUSにまとまってるはず。

 

で、そうやって選んだその曲を彩る基本をしっかり作って行くことが、その先に向けて重要。

 

上物処理の基本は先の三要素を邪魔しないようにしながら、いかにカッコいい音にするかだと思う。順位を決めて音を決め込んで行くと、必要無かった音が意外と出てくる。派手なことをあんまりしないのに上手いと言われるプレイヤーはここのオケに対する自分のパートのバランス感が素晴らしい。アレンジャーがミックスもするタイプのメリットはここで戻れるとこだよね。

 

実際にどうするかって言うと、この部分は過去のシリーズも合わせて読んで下さいな。

 

個人的な手法の基本として、まず1つ1つの上物トラックの音をソロで強い音にする。次に三要素と一緒に聴き、上物の邪魔な要素を削っていく。例の周波数と時間軸ね。この時三要素のボリュームとかを触らないのが鉄則で、基準を触るとバランスがどんどん崩れるかね。

 

ここは最初から他の音を聞きながら作業しないと意味がない的な反論があるかもしれないけど、こっちの方が好み。実際にやるとそうなんだけど、この回り道の方が仕上がりが丁寧になるからあえてやりたい。

 

後ろに下げたい音とかも、一旦しっかりした音にしてから音の前後を作る様にしている。その方が後ろ下がった音もちゃんと存在感があるからね。

 

音の下げ方のポイントは、現実でどうなれば音が遠く聞こえるかを再現すること。離れた場所にあるだけで音そのものは変化しないから、まずしっかりした音を作る。で、それが遠くで鳴るってことでその輪郭がぼやけてくるわけだから、音のアタックやハイをと削ったり空間系のブリディレイ等で距離や位置を調整する。

 

下処理をしないで、いきなり空間で処理しようとする埋もれるんだよね。後ろにしたい音がすぐに聞こえずらくなっちゃう人はここに気をつけよう。

 

更にMS系のプラグインとかで、センター音だけを更にぼやかすと、空間の構築が上手く行くと思う。後、あえてS1みたいなボチボチのクオリティのwidth系で位相を崩すのも後ろに下がってくかな。

 

今回のまとめとして、何度も言うけど、ミックスの基本は完全なアレンジがなによりも重要。

 

脱線コラムVol.7:最近買った中で人に薦められる製品の話とか。2017後半

あっという間に時間が経つね〜。元々、気が向いた時にしか書かないこのブログの存在を思い出す事無く、レコーディングとミックス、その他もろもろの1ヶ月半は、ここ何年間で一番忙しかったんじゃないかなと。。

 

その間に導入したのと、使ってみたらすげー良かった製品をご紹介。まあ殆どプラグイン何だけどね。

 

ざっくりこんな感じ。

WAVESAbbey Road Reverb Plates & H-Reverb Hybrid Reverb

もうリバーブはこの2つあればなんとでもなるね。まあ、相変わらずRverbとValhallaは使うけど。既にTCとSLATEのリバーブは使ってない。

 

②Smack Attack:他のトランジェント系全滅。これのみでOK

 

③Infected Mushroom Pusher:リズムトラックのBUSにでも挿せば、直ぐにEDM感でる。

 

④Scheps Parallel Particles:これが今回の大ヒット。何にでも使えるね。歌なんてピッチとタイミングを直したら、簡単なEQとMV2とこれで充分。ベースでも何でも使えるし万能。

 

⑤CLA MixDown:マスタートラックはこれだけで良いんじゃないってほどのクォリティーだね〜。アウトボードも要らない気がする。いい時代だね。GURUが強い気するからそれを下げ目で後は感覚でハイとローをいじればそれだけでOK。

 

⑥Overloud EQ84:ここのGEMシリーズって全部良い。軽いし効きいいし。

 

⑦A.O.M Invisible Limiter G2 & IK Multimedia Stealth Limiter

さっきのCLA MixDownで最終調整したら、ここまででMIXは出来てるはずだから、後は曲調に合わしてこのどっちかで音圧だけ調整。バランス壊れないし、シンプルで良いよね。

 

⑧Sonarworksの補正のヤツ:これのヘッドフォンの補正とFocalのSpilitProの組み合わせがかなり良い。何処に居ても同じレベルでミックス出来る。もちろんスピーカー補正の方も常に使ってる。

 

まとめると、WAVESがここまで良くなると、昔に頑張ってMercuryを買っといて正解だと思う。まあ当時は今の3倍以上の値段だったことは忘れたいけどね。

 

メインがWAVESばっかりになってくると、ImpactServerとかでWAVES分だけCPUを逃がすのもありかなって思ってくる。まあ、あれ常にドライヤーの弱くらいうるさいから、うちのスタジオの外壁と内壁の間にでも置いてケーブルを引っ張ってみようかな。

 

ハードだと、何かと大人気インシュレーターのDMSDの小さい方と7弦ギターを買い足した感じかな。やっぱりミックスにハードは要らないな。いつも言うけど、録りでは使いまくってるの前提ね。

 

あ、一番重要な事忘れてたよ。MIX用のI/OをRMEのADI-2 Proに変えた。このモデル、ずば抜けて解像度が高いね。これに配線と電源周りをアコリバで完了。入出力少なすぎだけどこれで充分だな。スピーカーも民生機だし、まるでオーディオマニアみたいなセットになってきたね。

 

 

脱線コラムVol.6:コメントに来た質問に回答してみる Vol.1

Q : ミックス確認のため、ボリュームを大きく下げた状態で確認することがあるのですが、コンプで音を作らないとリファレンスと比べて貧相に「ただ鳴っているだけのようなイメージ」に感じます。 この場合、アレンジや音選びに問題がある感じでしょうか?

 

A : コンプで音を作るって何を挿してるのかが分からないけど、リファレンス曲って基本的にリリースされているものだからマスタリングが終わってる訳で、MIX中にそれと比べて地味なのはしょうが無いと思う。

 

リファレンスと比べるのは、音のキャラクターとかバランス、空間系の雰囲気とかになるんだけど、どうしても気になるならマスタリング後を想定してマスターに適当なリミッターでも挿して置けばいいんじゃないかな?バランスの良いミックスはボリュームを落としてもバランス良いから、音量の大小で急に目立つ音や埋もれる音が居たら、そいつの処理が上手く行ってないってことだよね。

 

ちなみにどんなスピーカー使ってるかはわからないけど、常にMIXの音量は一緒の方が良いよ。最後のあら捜しでいろいろやってもいいけど、基本作業中は固定。音量でスピーカーの特性も反射も変わるから個人的にあんまりオススメできないです。音量大きくないとノレないって人も多いけどそれもNGの部類だと思う。その部屋の反射で気持ち位だけで、元データはどんどん地味なるからね。それならヘッドフォンでやった方がまだまし。

 

ちなみにリファレンス使わない派です。理由として、日頃から自分の作業場であらゆる曲を聞いてるから頭(体)に入ってるから。ヘッドフォンもずっと一緒だから同じくゴールが体に染み込んでる。他所でやる時は、2曲くらい持っていってそこで聞いて差を確認するけど、正直いつも使うヘッドフォンの方が信頼できるかな。まあ、しばらく居たら慣れるけど。

 

つまり言いたい事は自分の基準になるまで、同じものを使い続けろってことね。機材を買い換えるときも、前よりここがこうなるのねって言うのが大事。

 

読んでくれてる人の場合、一人でMIX→マスタリング→リリースみたいな人も多いと思うからちょっとだけ今までの流れからそれるけど、作業の6割位で音圧をリファレンスにそろえて、リミッターに当てながら各トラックを最大値まで持ってくってパターンもある。特にEDM系とかラウド系ね。リミッターに当てて音源レベルまで音圧を付けることでダメになる要素を個別のトラックで修正していくMIXもあるから、どっちでいくかは曲次第だから、どっちも出来る様になるといいかな。

 


Q : 9マスを意識しつつ、オートメーションでアレンジをつめたらかなり改善出来ました。 原因は適当なパンニングと適当なフェーダーワークでした。 なんだかかなり楽ちんになってしまいました。 前はあんなにプラグイン挿してたのに…

 

A : お、少しは人の役にたってるのね。9マスは更に奥行きが3段階あるから実際は27マスです。まあ、後ろの方は厳密に9マスじゃないけど意識の問題ね。

 

何をどうするとその位置に音が行くかを練習するとMIXがさらに早くなる。実際にはどのリバーブに送るとここ、このディレイに送るとここ、これはプリかポストか、同じプレートリバーブでもこっちの楽器はこのプラグイン。みたいになってきて、それらをテンプレート化するのが理想かな。自分のスタジオを持ってるトップエンジ二アや仕事の多いクリエイターは絶対自分の機材やトラックの配置ってのがあるはずで、常に同じ状態でスタートして、なんとなく違った事やりたかったら違うプラグインとかに変えてみるで良いと思う。

 


 
Q : ボーカル編終わったら、PANの振り方についても聞いてみたいです! LR100%振り切るのが良いのか、低音をサイドに散らす最近のトレンドとか、M/S処理とか迷うことが多くて…。

 

A : PANなんてざっくりよ。信用できるモニター環境があるならそれで聞こえる通りだし。ただ言えるのが、中途半端な数字はあんまり意味ないからセンターからサイドまでを30,45,60,75,90みたいにざっくり分けて、なるべく左右対称に音が居るようにすることが重要だと思う。だからこの数字も意識の問題ね。常に両サイドのPANバランスを意識してれば、70より72が好きだと思ったら72でいいよ、好きにして(笑)そこに音数多すぎて被るなら、それこそここまでにあった時間軸や周波数で住み分けを作ればいい。

 

曲の展開上片方にしか音がないときは、反対側にフィードバック1回のショートディレイ(MAXでも〜16msくらいかな)を送って存在感を返してあげると寂しくなくなるとか基本的なことで解決出来ると思う。この辺は空間系のくだりにまとめて書くかな。

 

M/S処理ってよく聞くけどほぼやらない。やってもWAVESのCENTERを使うくらいで、オケでしっかり聴こえて欲しいけど歌の邪魔ってやつのセンターを下げるくらい。サイドチェーンだとサイドも下がっちゃうからね。で、センターが居ない時はCENTERをバイパスするオートメーションを書くのが個人的なポイントです。この辺は上モノ編で書くと思う。

 

低音をサイドに散らす最近のトレンド?知らない(笑)文章の意図がサイド用のBASSがあるって意味だったら分かるけど、低音は指向性が少ないのとスピーカーの鳴りとか凄く悪くなるから、低音を無駄にサイドに振るのは好きじゃないかな。KICKやBASSがステレオファイルで来るのは流行りな気がする。

 

 

ってな感じかな。

 

質問をされても嫌ではないのでご自由に質問くださいませ。ただ何かの隙間で書くのでそんなに即答ではないです。あくまでも経験談から回答なので賛否両論あるでしょうから、判断はご自由に。